よみびとしらず

私が思ったこと、誰かが思うかもしれないこと

見た夢の話

夢の中で私は誰でもなくて、映画やドラマを見てるような感じだった。夢の舞台は戦前〜戦時中の日本によく似た日本ではない国で、やっぱり他の国と戦争中だった。住んでる人も日本人に似ていたけど、着てるものはみすぼらしく、体も痩せていていた。街並みにはぽっかり空いてる所があって、そこにぽつぽつとバラック小屋が建ってたり、戦況はかなり悪く本土まで空襲にあって占領され始めているんだと誰でもない私はなんとなく知っていた。
主人公は14.15くらいの男の子で郵便配達で生計を立てている。これといった娯楽や趣味を持たない彼の唯一の楽しみは自分が住んでる長屋の屋根に登ると見える、捕虜収容所と労働工場を結ぶ電車にむかって朝晩1回ずつ手を振ること。男の子はその2両目の窓際に座ってる黄色いリボンの女の子が行方不明になった妹ではないかと思ってた。
男の子が配達する郵便物は赤紙と死亡通達書、そして戦地の兵士から家族に向けられた手紙がほんの少し。子に充てられた赤紙を見て顔を曇らせる兵士の親へそれを手渡すのはまだマシ。男の子は死亡通達書を見て泣き崩れる遺族を1日に何組も見なきゃいけない。男の子が生み出した、できるだけ精神に負担をかけずこの仕事をする方法はそこにかかれている名前をみないこと。その名前の持ち主に関わってはいけない。情を持ってはいけない。無心であれ。まだ若く不器用な彼は、名前の持ち主を1人の人間として戦死者という大きなくくりから取り出すのを避けることでこの仕事とうまく付き合っていた。

 男の子が配達前にすることはその死亡通達書の中に妹のものがないか探すことで、どれだけ探しても見つからない妹の帰りを待ちわびるも、心のどこかで自分もあの遺族と同じ「失った者」であることを心のどこかで悟っていた。

それでも現実から目を背けたい男の子は妹と同じように黄色いリボンをつけた電車2両目の女の子を妹だと思い込むことにして、そうすることで心の安定を保っていた。両親はとっくにいなくなり親戚とも連絡が取れず、肉親といえば妹だけだった男の子にとって、妹の死は受け入れがたいものだった。
しかしある日、その電車が乗せているのは捕虜ではなく収容所職員とその家族で、労働工場だと思っていた建物は彼らのためだけの娯楽施設であり電車の女の子が妹であることは絶対にありえないことに気づいてしまう。それでも認めたくない男の子は仕事に没頭しようとするが、配達物の中に妹の名前が書かれた死亡通達書を見つけてしまう